カマスの水揚げが好調です

 まずは全く漁に関係無い話から。
 先頃、ニュートリノの速度が光速よりも速いのでは? という実験結果が国際研究チームから提出されました。このにわかには信じがたい実験結果に、正直驚きを隠せません。世紀の大発見なのか、はたまた常温核融合の再来なのか、今後の動きに目が離せません。
 ニュートリノは、量子力学の、特に実験屋の間では最もホットな題材の一つです。そもそも30年代にその存在が理論的に予言されながらも、実験での発見・検証までに30年近くを要し、その後も質量の有無について半世紀近く議論と実験が繰り返されました。ニュートリノに質量があることがスーパーカミオカンデでの測定によって明らかにされ、日本人がノーベル物理学賞を受賞したのは記憶に新しいかと思います。
 そして、今度はその速度を測定したら、なんと光速よりも速かった、というのです。
 相対性理論によって物質の速度は光速を越えられない、という大原則が物理学にはあります。これが崩れるとなると、大変なことです(どうして大変なことになるのかは、面倒くさいのでここでは書きません)。もし、これが本当なら物理学の教科書の多くの事柄を書き直す必要が出てくるでしょう。
 私は学部〜博士課程までの10年間を金沢大学物理学科で過ごしました。ああ、あと10年遅く生まれていたら、と思わずにはいられません。当然、無能非才無学と無い無い尽くしの私が10年若返ったところで、何が出来るわけでも無いのですが、こういった学問の節目に立ち会ってみたかった、と思わなくも無いのです。



 というわけで、最近の漁ですが、先週からカマスが好調です。本格的な秋の到来に合わせて、型も大きく脂も乗ってきました。
 あとは、アオリイカが少しずつですが増えてきました。型の大きなものも混ざり初めて来たので、今後秋が深まるにつれて漁獲量も増えていくと思います。
 コゾクラも、少しずつフクラギが混じり始め、時々ガンドやブリも獲れ始めています。こちらも冬に向けて楽しみです。